曹洞宗の開祖・道元。座禅や生活作法、世界や時間や人間のとらえ方などの思想を凝縮して伝えるのが『正法眼蔵』だ。難解で長大な原文の要点をわかりやすく解説。初学者に禅の精神をやさしく伝える。
建長寺の宿泊坐禅会で聞いた「仏道を習うとは…」の文言の出典が正法眼蔵と知り、ひとまずとっつきやすそうな本だったので手にとった。曹洞宗の僧侶でアカデミックな背景もしっかりした著者で、しかも自分もまだよくわからないことがあるが、今の自分の解釈はこうというスタンスで、語り口も読みやすく嬉しい。 現成公案、有時、三界唯心、夢中説夢、空華、坐禅儀、魔訶般若波羅蜜、仏性、礼拝得髄、山水経、洗浄、菩提薩埵四摂法の各巻を取り上げている。 面白いのが坐禅のノウハウだけでなく、便所の仕方や歯磨きの仕方なども丁寧に説明しているところ。特に最近の中国は楊子が廃れてみな口臭いみたいな話とかは笑える。 道元の考えていることは現在の哲学や科学でも言われていることのように思う。ものの認識の仕方、今の私の中にすべての時があるとかは時間とは脳内で存在するものという考え方とか、山が歩くとか。 この世に存在するあらゆるものは心。人生に成功も失敗もなくそれぞれの日常があるだけ、その世界を仏の世界にする。坐禅をすると何になるのか、「何にもならん!」という澤木老師の回答。 スティーブジョブズのstay hungry, stay foolishの原典的な「潜航密用は愚のごとく魯のごとし、ただよく相続するを主中の主と名づく」が『宝鏡三昧』という禅籍にあることも知った。 ちょっと誤字も多かったので、直感に反する読み方のふりがながあっているのかどうかは不安。 道元の考えにめっちゃ興味が出たのでまた何か読みたい。今自分が好きでやっているお茶にも取り入れるべき考えがいっぱい、といか茶禅一味というのがわかってきた気もする。坐禅もできる範囲で再開する。
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